満月の夜〜オモイ弐〜

サスケは満月の夜になるたびに森へと向かった。
だがやはり最初の夜と同じ。
祠の傍にナルトは佇んでいる。
だか満月が泉を照らし、ナルトがこちらを振り返りニッコリと微笑んだ瞬間、サスケは森の外に立っている。
ナルトに近づくことも出来ない。
「・・・くそ・・・。どうしたらあいつにちゃんと会うことができるんだ・・・!」
何度目かの満月の夜、サスケは悔しそうにそう呟いた。

一方森の中。祠の傍にたたずむナルトはサスケを森の外へ追い払った後何故か悲しげな顔をしていた。
『どうした火影の子よ。』
姿の見えない声が泉に響き渡る。
「九尾。」
ナルトはその声に応えて中を仰ぐ。
「・・・あの黒髪・・・サスケだってば?あいつの心・・・まっすぐすぎて・・・なんだか痛いってばよ・・・。」
胸の辺りをぎゅっと握り締めつらそうに顔をゆがめる。
『・・・お前はあの男とちゃんと会ってみたいか?』
「・・・わからない。今までも・・・そうだったから。」
今までにもナルトを求めてきたものは居た。だがその全てがナルトを助けて里の英雄になろうとか、ナルトを助ければ賞金を与えるというなんとも古典的な嘘の情報に踊らされた者たちばかりだった。
「でも・・・あいつ・・・サスケは・・・違う気もする・・・。」
困ったような、悲しいような、嬉しいような。複雑な気持ち。
会ってみたい。会って話をしてみたいという気持ちと、今までのように裏切られることへの恐れ。
『ならば会ってみるがよい。それで己が心に聞いてみるがいい。それで今までのようなら・・・また今までしてきたように記憶を操作してしまえばいい。』
「・・・うん・・・九尾がそういうのなら・・・。」
ナルトはそういい満月が輝く夜空を見上げた。
「もう・・・一人は・・・嫌だってばよ・・・。」

サスケが本当に純粋に自分を愛してくれることを祈っていた・・・。

さーどうなる!(自分でもわからない)←殴
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