満月の夜〜ケツイ壱〜
サスケはその日、火影である綱手に呼び出されていた。
「サスケ。おまえ、最近森によく出入りしているそうだな。」
綱手は真剣な眼差しでサスケを見つめている。
「・・・そうですが・・・それが何か。」
サスケも真剣な目で綱手を見つめ返す。
「サスケ、おまえはあの森が・・・どんな場所かわかっているな?」
「・・・はい。」
綱手のその目は全てを見透かしたようなそんな目だった。
「おまえは・・・『あのこ』を愛せるか?」
「!!」
行き成りの質問にサスケは目を見開く。そして数秒の沈黙が流れ、サスケは大きく一つ、息を吐き、まっすぐ綱手を見る。
「・・・はい。」
決意の目。
「それは『無償の愛』か?」
綱手は更に質問をする。
「はい。」
サスケは力強く頷く。また、数秒の沈黙が降りる。そして、
「・・・わかった、下がっていいぞ。」
綱手は大きく息を吐き、少し微笑んだ。
「・・・失礼します。」
サスケは綱手に背を向け、部屋を出て行く。
「・・・あのこを・・・救ってやってくれ・・・。」
サスケが扉を閉める瞬間綱手が呟いた言葉はサスケの耳には届かなかった。
間が空くと自分でも意味がわからなくなります。