狐の嫁入り〜二人目〜

サクラとのお見合いの次の日。今、ナルトの前にはまた見知った顔があった。
「・・・はぁ。」
「なによー。そんな溜息つかないでよ。失礼ねー。」
無理だ。と、ナルトは思った。

サクラのときと同じく、アカデミーの同級生で顔見知りだからということで両親は早々に立ち去り、部屋には今回の相手―イノ―とナルトの二人だけ。ナルトは眉間に皺を寄せ、イノも不機嫌そうな顔をしている。
「もー、なによー。そんなあからさまに嫌そうな顔しなくてもいいじゃないー。」
出されたアイスティーにストローで息を吹き込みながらふくれる。
「無理言うな。別にやりたくも無い見合いなんかさせられて・・・機嫌のよくなる奴なんているか?」
「普通いないわね。」
だろ?とアイスティーを一口。
「でもあたしは嬉しいわよー?少なくともあんたのお嫁さん候補にはあがったってことだし。」
「は?」
なんだそりゃと呆れた顔をするナルトにイノはふふんと何故か勝ち誇った顔をする。
「他に誰がいるのか知らないけど、少なくともデコリンには負けないわ!」
ぐっと拳を握り締めるイノに何故そんなに気合いが入るのかわからない。
「・・・っつーかお前、サスケが好きなんじゃなかったのかよ。」
「何年前の話しよ。今はサスケ君よりあんたの方が人気あんのよ。知らなかった?」
「知らねぇよ。」
っつーか知りたくもねぇ。
そう呟いて残りのアイスティーを一気飲み。
「とにかく、俺はまだ結婚なんかする気はねぇよ。シカマルじゃねぇけどメンドクセー。」
「ナルトならそういうと思ったわ。でもあたしは諦め悪いわよ。」
「・・・知ってる。」
「じゃ、覚悟しといてねv」
「・・・したくねぇ〜・・・。」
その日のお見合いは、なんだか知りたくなかった事実を突きつけられ、疲れただけで終了した。

二人目。イノ。テンションの高い子は書きやすい(笑)。
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