狐の嫁入り〜三人目〜

三人目。
「久しぶりだな。ナルト。」
「・・・ちわ。」

その日の相手は人の住む村を挟んで反対側にある森を治める狸の一族の一人だった。
「久しぶりねぇ、テマリちゃん。」
「お久しぶりです、クシナさん。」
超☆笑顔。
「ナル君もテマリちゃんもお互い知ってるから、私たちいなくてもいいわね。それじゃ、お二人ともごゆっくりv」
ものすごくいい笑顔を振り撒いて、今回もミナトをひきずり部屋を後にした。

パタン
扉が閉まると同時にナルトは大きなため息をついた。
「ため息をつくと幸せが逃げるぞ。」
「ほっとけ。」
餡蜜を一口。ほっと一息。
「なんでわざわざあんたまで・・・。」
「まー、大人の事情って奴だろう。森同士、仲良くしようってことだろう。」
「・・・・・・・・・・・・そんなもんだろうな・・・。」
森の主となるべき一族同士の婚姻は一族同士、お互いの森に手を出さないという”契約”となる。
「まぁあたしはそれが無くてもあんたのことは気に入ってるからね。」
ははは!と笑うテマリにナルトは眉間にしわを寄せる。
「あ、でもあたしがナルトと結婚しちまったら我愛羅に恨まれるなー(苦笑)。」
「は?何で?」
「・・・・・・わかってないならわからないままでいいよ。」
我愛羅・・・ナルトの奴気づいてないよ・・・。
哀れ。テマリは心の中で合掌した。
「・・・どっちにしろ、俺はまだ結婚なんてする気は無い。」
「そう言うなって。考えるだけ考えておきな!」
豪快に笑って帰っていくテマリを見送り、ナルトは「もういやだ・・・。」と頭を抱えた。

三人目。テマリ。テマリを選んだら我愛羅が嫉妬します(テマリに)。
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