狐の嫁入り〜五人目〜

最後の一人。これでようやく解放される・・・ナルトはそう思って息を吐いた。

最後の一人はやはりアカデミーの同級生で、森の中でも有力者の娘であるヒナタ。
「・・・うん・・・まぁな・・・なんとなくお前は見合いの話OKするような気がした・・・。」
「え・・・あ・・・あの・・・ナルト君・・・」
「お前断れないもんな。」
「え・・・あ・・・うん・・・。」
ずっと抱いていた恋心に感付かれたかと一瞬ドキッとしたヒナタだが、超がつくほど鈍いナルトに救われた(苦笑)。
今日はヒナタの家の居間。相変わらず双方の両親はいない(クシナが引きずって行った)。
「ご・・・ごめんね?絶対こういうの、ナルト君は嫌がるって思ったんだけど・・・。」
おずおずと申し訳なさそうに言うヒナタにナルトは相変わらずだなぁと苦笑する。
「ヒナタが謝ることじゃねぇって。どうせネジあたりが騒いだんだろう。」
「・・・ご・・・ごめんんささい・・・。」
「だからヒナタが謝ることじゃねぇって。」
ナルトはヒナタの従兄であるネジに何故かものすごく気に入られている。顔を合わせれば笑顔で寄ってきて、サスケやカカシと火花を散らしている。
大方、ナルトとの見合い話が来たときにネジが勝手に進めさせたのだろう。
「・・・ホント、この森には物好きが多くて頭が痛い・・・。」
この森の中だけじゃなく、隣の森にも物好きがいることを最近知ったナルトは、「シカマルじゃねーけど、メンドクセー。」と呟き、ヒナタは申し訳なさそうに苦笑する。
「まー、とにかく。俺は結婚なんてメンドクセーことをする気はさらさら無いから。そこんとこだけ言っとくわ。」
「うん。わかった。」

そんな感じにほのぼのと終わった本日のお見合い。結果を報告するとそれを聞いたネジが「それならば俺が・・・!」と騒ぎ出したとか何とか。

最後はヒナタ。ネジ兄さんもナルトのこと大好きなんです(笑)。
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