場外乱闘?!

ザン
月夜の森の中。刃物が肉を絶つ音が響く。辺りは血と、先ほどまで人であったであろう肉片が飛び散る。
「・・・お・・・終わったー・・・。何とか年越さなくてすんだー!」
バンザーイ!と辺りの状況に似合わぬ伸びをする少年―うずまきナルト―は背後から近づいてくる気配に振り向きにっこりと微笑む。
「シカマルお疲れー。」
「お疲れさん。つかまだ任務終わりじゃねぇぞ。メンドクセーけど『報告書を出すまでが任務』だからな、”禍”。」
「なんか『家に帰るまでが遠足』なノリだなー”影”。」
そんなことを言いつつ、暗部の仮面は二人ともつけていない。素顔を見られたところで生きていられる忍はいない。
「とりあえず、何とか今年中に終わったな。これで返り血浴びながら年越しとかだったら一年超最悪だってばよー。」
かはっと”表”の口調で言いながら、”裏”の顔で笑う。
「だな。さってと、さっさと報告書出して着替えようぜ。んで、初日の出でも見に行くか?」
「さんせー!!っと・・・そろそろか。」
ナルトは懐から懐中時計を取り出すとカウントダウンを始める。
「ごびょうまえー!よーん、さーん、にー、いーち!」
「「あけましておめでとう。」」
秒針が十二を示すと同時にお互いに交わされた言葉。
「今年もよろしく頼むぜ、総隊長殿。」
「そっちこそ、期待してるぜ、副隊長?」
笑い合って。二人は合図をしたわけでもなく、同時に里へと駆け出す。

死の香りを常に纏いながらも、また新たな年を迎えられた。
自分たちはいつ死ぬか分からない。いつ大切なモノを失うか分からない。
だからこそ、無事に新たな年を迎えられたことを、ありがたいと思う。

「そーいや、カカシが『新年会やるぞー!』って言ってたな。下忍チームのほうで。」
「げ。あいついっつも絡んでくるんだよなー。ぶっちゃけウザイ・・・。」
そういいながらも、ナルトの顔は穏やかに微笑んでいた。

一月いっぱいお正月フリーでした。すっげー久々にシリアスっぽいもの(あくまでぽいもの)書いた気がする・・・!
← 戻る