蒼い空と白い雲と君の笑顔
青い空に真っ白な雲が浮かぶ秋晴れの空。
サスケとナルトが暮らす家の縁側で、ナルトを挟んで両側にサスケとサクラとの三人で並んでお茶を飲んでいた。ちなみにナルトはサクラがお土産に買ってきた団子をほおばってちょっとご機嫌だ。サスケとサクラもそんなナルトと見て満足そうに微笑んでいる。
ふと、サクラが思い出したようにナルトに向く。
「そういえばナルト、あなた、誕生日っていつなの?」
それにはサスケもそういえば、とナルトを見る。
「・・・う?えと・・・十月十日?」
ピシ
サスケとサクラが固まった。
「・・・十月・・・十日・・・?」
「十月十日・・・だってばよ?」
むぐむぐと団子を頬張りながら「それがどうしたの?」と言わんばかりに二人を見上げるナルトに一瞬クラッときたのはまぁ仕方ないとして。次の瞬間。サクラは思いっきり立ち上がる。
「ちょっと買い物行ってくるわー!!」
一瞬で消えた。
ナルトだけがぱちぱちと目を瞬かせ、サスケはなんとなくサクラが何をしたいのかわかってしまって。
「ナルト、そろそろ中に入るぞ。」
「・・・サクラちゃん・・・どうしたってば?」
「なんでもない。すぐ帰ってくるだろう。それより今日は何食いたい。」
ラーメン以外にしとけよ。
と言うサスケにナルトはう゛ー、と悩んだ挙句、
「サスケが作ってくれるものなら何でもいいってばよ!」
にぱっ!満面の笑みで返すナルトを思わず抱きしめてしまったのは仕方ないことだろう。
「たっだいまー!!」
しばらくして物凄い荷物を抱えて扉をすっぱーん!と勢いよくあけて返ってきたサクラ。その荷物の量にちょっとナルトが目を丸くして驚いている。
「さ、あたし達は夕飯の支度をするから、ナルトは部屋で待ってて。」
「手伝わなくていいってばよ?」
「いいのよ。楽しみにしててね!」
どさっと音を立てて荷物を降ろすサクラにたずねれば笑顔で返されてしまい、ナルトはその笑顔にちょっと首を傾げつつ、あてがわれた部屋(ここに来たときの部屋とは違う部屋)でサスケが持ってきてくれた本(『栄芸のススメ』)を読んでいるとそれなりに時間が経っていたらしく、サクラが呼びに来た。
そして、
ぱん!
「「誕生日おめでとう、ナルト。」」
リビングに入ったとたん、中にいたサスケと後ろからサクラにステレオ調で言われると共にクラッカーが鳴り響く。当のナルトは何が起きたのかわからないのと驚いたので目を白黒させている。
「・・・たんじょうーび・・・?」
「そうよ。今日は十月十日。」
ナルトが言ったでしょ?
だから急いで用意したのだ、と。サスケとサクラは言う。
「迷惑だったか?」
まだ目をぱちぱちと瞬かせているナルトに問えば慌てて首を振る。
「そ、そんなことないってば!ただ、俺ってばとーちゃんもかーちゃんも忙しくてこんなことしてもらうことなかったから・・・嬉しいってばよ!」
驚いていた表情から頬を上気させて興奮したように喜ぶナルトにサスケとサクラも満足そうに笑む。
「さ、食べましょ!」
食後にはちゃんとケーキもあるわよ!
そう言うサクラに、ナルトはさらに笑みを深くした。
次の日。ナルトの誕生日を聞きつけたいろんな人(主にサスケとサクラの同僚)が押しかけてきたのは言うまでもない。
サクラちゃんが漢前です(笑)。