春のよき日の争奪戦?

「…。」
「…。」
「えーとぉ…。」
綱吉は目の前で繰り広げられようとしているなんだかよくわからない戦いをしようとしている二人を見つめて困ったように顔を歪めていた。

その日綱吉はリボーンに命令された珈琲豆を買いに外に出た。
そして最初の角を曲がったところでそれと出くわした。
「おや。奇遇ですね、ボンゴレ。」
出た。変態ストーカー。
奇遇とか言いながらこいつ絶対待ち伏せとかしてたなとか思いつつ、口には出さずに目の前で気持ち悪い薄笑いを浮かべる骸を白い目で見る。
「…あの…。」
「はい?」
いつまでも気持ち悪い薄笑いを浮かべたまま綱吉の前から退こうとしない骸。
「俺リボーンに命令された買い物に行かなきゃいけないんで、そこ退いてもらえますか。」
無理だなとか思いつつも一応言ってみる。だが返ってきた答えは案の定
「嫌です。」
あぁやっぱり。綱吉はこの後の展開をある程度予想しつつ盛大なため息をついた。
「僕と二人っきりで花見にでも「ちょっと、そこのパイナップル。僕の綱吉になにしてるの。」
…ややこしい人が増えた。
骸のセリフを遮って登場したのは並盛中学風紀委員長雲雀恭弥。
骸に対して殺気垂れ流し状態ですでに手には毎度お馴染みのトンファーが既にかまえられている。
一触即発
まさにそんな感じの雰囲気がその場を包んでいる。
「綱吉。」
「はぃぃぃ!」
恭弥の声に飛び上がりそうなほど驚いて悲鳴のような声を上げる。
「そんな変態パイナップルなんかと一緒にいたらもっとバカになるよ。さ。こっちおいで。」
とかなんとか言いつつ手をさしのべる恭弥。
綱吉は別に恭弥のところに行く気もないがとりあえず骸から離れようと一歩踏みだそうとしたが、

がし

「どこへ行くんですか?ボンゴレ。」
にっこりと笑顔を向けながら骸は綱吉の肩をがっつりと掴んでいる。
「えーとぉ…。だから俺は買い物に…。」
行くんですけど、と言いかけたその瞬間

ヒュ

骸と綱吉の間をすり抜けて後ろのブロック塀にトンファーが深々と突き刺さっていた。
「ひぃ!」
思わず悲鳴を上げる綱吉。そんなことはお構いなしに骸と恭弥の睨み合いが始まる。
「僕の綱吉にちょっかい出さないでくれる?」
「おや。いつからボンゴレはあなたのものになったんですか?それに、ボンゴレはもともと僕のものです。」
俺は誰のものでもない
と心の中で思いつつ、口には出さない(むしろ出せない)綱吉。
「…。」
「…。」
「えーとぉ…。」
そこで冒頭に戻る。

「なにやってんだ駄目ツナ。」
「うわ!リ、リボーン。」
この状況からさっさと逃げてしまおうかと思いつつ、ほっといて乱闘なんかになったらそれはそれで面倒だなと思いそこから動けずにいると、綱吉に買い物を命令したはずのリボーンが突然現れた。
「よ。ツナ。」
「こんにちわ!10代目!」
そしてなぜか山本と獄寺も居たりして。
「山本…獄寺君…。どうしたの?」
驚きすぎてバクバクいってる心臓を落ち着かせる。
「どうしたじゃねぇぞ。買い物に何時間かけてるんだ駄目ツナ。」
「いい天気だから花見にでも誘おうと思ってお前んち行ったら買い物行ったまんま帰ってこねぇっていうから探しに来たんだよ。」
「あ・・・ごめん。」
申し訳なさそうにあははと笑う綱吉。
「で、どうしたんだ・・・って聞くまでもないか。」
「・・・うん。あれ・・・どうしたらいいと思う?」
目線の先には相変わらずそこだけ氷点下にまで気温が下がったかのごとくブリザードが見えるような冷戦状態の骸と恭弥の姿。
「ほっといていいんじゃね?」
あっさり言っちゃったよこの人。
「そうですよ。あんなのほっておいて行きましょう!」
獄寺まであっさりと言い放った。
「そうだな。あれはほっておいてもいいだろ。行くぞツナ。」
「え・・・まじで?」
とんとん拍子に話は進んでしまい、結局骸と恭弥はほっといて4人は花見へ。

しばらくして。
ようやく綱吉がいないことに気が付いた二人が街中探し回っていたことは言うまでもなかったり。

fin

・・・ごめんなさい。妄想だけで突っ走ってみました(苦笑)。
← 戻る