オオゾラのうた act9
そのころ沢田家は大騒ぎになっていた。日の出近くになってもツナが帰ってこない。こんなことは今までなかったから。そのことはもちろんハルにも連絡が入る。ツナの両親もハルもツナを探し回る。そんな中でも太陽は無情にも昇り始める。
「ハルちゃん、どうしましょう・・・!もう・・・太陽が・・・!」
「大丈夫ですおば様、大丈夫ですから!」
パニックになりかける母親をなだめながらも、当のハルも動揺していた。このままツナが戻ってくる前に太陽が昇りきってしまったら・・・そんな嫌な思いが駆け巡る。そのとき、
「お、お゛お゛い゛!」
声のしたほうを振り向くとそちらから必死の形相で家の中に駆け込んでいくツナと、その向こうで唖然とするスクアーロの姿で。
「・・・ったく、何だってんだぁ゛・・・。」
意味がわからないといった表情でぼやくスクアーロにハルは怒りが湧き上がる。
「ちょっとあなた!何しちゃってくれるんですか!」
「なっ!」
いきなり怒鳴られてますます意味がわからないというスクアーロにますます怒りが膨らむ。
「ツナさんは病気なんです!太陽にあたると死んじゃうんですよ!あなたはツナさんを殺す気ですか!?」
「なっ!」
わかっている。ハルだってこの怒りが理不尽なものだということくらい。目の前で目を見開いて信じられないという表情をしているスクアーロに怒りをぶつけてもどうしようもないことくらい。それでも、感情がとまらない。
「帰ってください!」
フリーズするスクアーロを放置してハルもツナを追いかけて家の中に入る。両親も少し困惑したような表情を浮かべるとスクアーロに一つ、頭を下げると家の中に入っていった。後には、ハルに言われたことにショックを受けて動けなくなったスクアーロだけが残されていた。
ツナは部屋に駆け込んで膝を抱える。
「(嫌われた嫌われた嫌われた・・・!)。」
そんな言葉がぐるぐると回る。
もう逢えない。もう逢えない。
そう思うだけで涙があふれてくる。
「ふ・・・あ・・・あぁ・・・!」
膝を抱えて声を殺して涙を流す。部屋の外ではハルと、ツナの両親が心配そうな顔で、聞き耳を立てていることも知らずに。
印象に残ってるシーンは結構あるんだけどな・・・。書けない・・・。