オオゾラのうた act14
ツナの了解を得たスクアーロはそのことを山本に話、話はその日のうちに学校中(初等部から大学部まであるマンモス校)に広まり、その日のうちにCDのレコーディング、更に学校の生徒、教職員全員分のCDを作って配ってもおつりが来そうなぐらいの金額が集まった。これには話を持ってきた山本も仲介役としてのスクアーロも様子を見に来たハルもあっけにとられた。
「なんていうか・・・ツナさん・・・ファンは多いとは思ってましたけど・・・ここまでとは思いませんでした・・・。」
「俺もちょっとびっくりなのなー・・・。」
「しかも教師どもからのも入ってるってのが怖ぇなぁ・・・。」
スパルタで有名なアルコバレーノと呼ばれるトップ教師陣七人からも、その補佐であるラル・ミルチからもカンパが入ったという。しかもものすごい金額で。
「とにかく、早速申し込みなのな。」
「そうですね!なるべく早くやりましょう!」
それはツナに残された時間が、後どれくらい残されているかわからないから。できることを、やりたいことをできる限りやらせてあげたいから。それは、ツナの病のことを知る人たちの皆の願い。できるならば生きて欲しい。だがツナの体を蝕むモノは原因も治療法もわからない難病。あの天才医師のシャマルでも治すことは出来ない。だからこそ、今を、精一杯、生きて欲しい。笑って欲しい。そんな思いを抱き、スクアーロはツナの待つ家へ報告のために急いだ。
ツナのもとを訪れれば驚いたように大きな瞳を更に大きくして、ツナはぼろぼろと涙をこぼした。
アルコたちもツナの大ファンです。