Un caoriccio di mostro-lato Dino
広いパーティ会場でツナは招待客達に笑顔で対応していた。
「は〜〜〜〜・・・。」
挨拶がひと段落つくと、ツナは逃げるように庭に出て中央に鎮座する噴水の淵に腰掛ける。会場の中ではまだ人々の話声が響いている。
「貴族ってめんどくさい・・・。」
平凡に戻りたい・・・と、ぼそりと呟くと、
「そー言うわけにもいかねーのがこの世界だ。あきらめろ。」
背後の噴水の中から盛大に水しぶきを上げて金色の馬が躍り出る。そして馬は一瞬にしてスーツ姿の金髪の青年へと姿を変える。
「ディーノさん。」
青年―ディーノ―はにかっと笑う。
「主役がこんなとこいていーのか、お姫様?」
「ディーノさんこそ。しかもなんで噴水の中?」
ロマーリオさんに探されますよ?と言えば、ディーノはいーんだと言うように肩をすくめる。
「ケルピーは陸より水の中のほうが落ち着くんだよ。」
「じゃぁ会場の真ん中にプールでも作らせましょうか。あ、そうしたらスクアーロも来ますかね。」
「うわぁ・・・それは勘弁してくれ・・・。」
お手上げといわんばかりのディーノにくすくすと笑えばわしゃわしゃと頭をなでられる。
「やっと、ちゃんと笑ったな。」
「ディーノさん・・・。」
「最近ずっと疲れたような顔してたんだぜ?気付いてなかっただろうが、たぶん、守護者どもは気付いてるぜー。」
あう。
と、苦虫を一気に十匹くらい噛み潰したような顔をしてへにゃんと情けない顔になる。
「・・・すいません・・・なんか心配かけたみたいで・・・。」
「謝るなって。まだ先代から引き継いでそんなに立ってない上に慣れない付き合いで気が張ってんだろ。俺だって最初のころはそうだったんだ。ま、王家と貴族じゃぜんぜんちげーかもしれねーけど、なんかあったらいつでも言ってくれ。話くらいは聞くぜ。」
「・・・ありがとうございます・・・。」
そう言って綺麗に笑ったツナにディーノもつられて笑う。そしておもむろに立ち上がる。
「では、そろそろ戻りましょうか。女王陛下?」
差し出された手を、少し苦笑しながら立ち上がる。ふわりと純白のドレスが翻る。
「ツナ。」
「はい?」
「誕生日、おめでとう。」
耳元でささやかれた言葉に少し赤くなって、花が咲くような笑みを浮かべた。
(十代目ー!!どこにいらしたんですかー!(号泣))(獄寺君・・・その噴水のところでディーノさんとお話してただけだよ・・・)(・・・水棲馬、ツナに手を出したら・・・かみ殺すよ・・・)(ちょ・・・雲雀さん、落ち着いてください・・・!)
ディーノさんはケルピー。馬つながり。調べたら人喰い馬とか出てきたけど・・・ディーノさんは大人しいです(笑)。むしろヘタレでへなちょこと(爆)。
ツナのお誕生会みたいな感じ。・・・びっみょうー・・・。