ロマンチックな出会いなんてそもそも期待していない

「なぁなぁ、いーじゃん。」
「俺達と遊ぼーよ。」
「(・・・ウザイ・・・)。」
買い物籠片手にツナは盛大に顔を歪めた。

なんでこんなことになってんだろう。
買い物籠を放り投げて(買い物前でよかった)連れ込まれた路地裏で大立ち回り真っ最中なツナは考える。
自分は母親に頼まれて買い物をしに着ただけだ。渡されたメモを確認しながら目当ての店に向かっていたらいきなり、明らかに悪いことしてますというような風体の男達(五人ほど)に囲まれて路地裏に連れ込まれた。そこでいろいろと女として口に出すのもおぞましい行為をされそうになり・・・
「(今にいたる・・・っと)。」
考えがまとまったtころでツナの回し蹴りが男(三人目)に綺麗にヒット。
「・・・ふー・・・すいません。いい加減にしてくれません?母さんが心配するんですけど。」
無駄だとわかっていてもとりあえず言ってみるが、
「・・・あー無理ですかそうですかこれはりっぱな正当防衛ですからその辺よろしくお願いしますねー。」
こちらを睨みつけてファイティングポーズを取る男二人にノンブレスで言い切った。

数十秒後。積み上げられた男の前にツナは無傷で仁王立ちしていた。
「・・・はー・・・時間食っちゃったなぁ・・・早く帰らなk「ワォ。これ、君がやったの?」・・・。」
ツナの直感が叫んでいる。「かかわってはいけない。」と。もう、警告アラームが真っ赤に点滅中。
「すいません知りません俺は無関係ですさようならr「待ちなよ。」・・・。」
ノンブレス再び。くるりと回れ右で路地から出ようとすればいつの間にやら首筋にトンファーを突きつけられていた。もう、冷や汗もんだ。
「しらばっくれても無駄だよ。最初から見てたからね。」
「見てたなら助けてくださいよ。」
「やっぱり君がやったんじゃないか。」
・・・地雷踏んだー。
ツナは大きく溜息をつくとトンファーを突きつけている人物へ振り向く。
「・・・っ、ふーん。」
黒い髪に黒い瞳。
絶対に女の人にもてるだろーなーっていうかどっかで見たことあるような気もしなくもないなー・・・なんて思っていたら、
「ねぇ君、名前は?」
「は?」
「だから名前。」
「・・・ツナです。沢田ツナ。」
「そう。ねぇ君僕の妻にならない?」
「は?」
突然何を言い出すんだこの人は。
思いっきり間抜け顔で眉間に皺を寄せていると目の前の人物はにやりと口元だけで笑って、
「君に拒否権はないよ。僕は欲しいものは必ず手に入れる主義でね。まぁ今日はこの辺で勘弁しておいてあげるよ。」
言うだけ言ってその場から去っていく人物を唖然と見送って、
「・・・はぅ!買い物!」
母さんだけじゃなくリボーンにもいやみ言われる!

案の定。家に帰れば自身の黒い家庭教師様に「ママンを心配させたペナルティだ。」と言って課題を三倍に増やされた。

そしてさらに。いきなりプロポーズまがいなことをかましてきた人物が今度は家にまで押しかけてきて、さらにさらにそれがこの国の第二王子様ということに驚き、それからどうしてもツナを自分の妻にしたい第二王子恭弥と全身全霊全力で拒否したいツナの攻防戦が始まるのであった。

(いい加減あきらめてください!)(いやだよ。言っただろう?僕は欲しいものは必ず手に入れるってね。)

普通にこれシリーズ化できそうで怖いです(苦笑)。
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