オオゾラのうた act3

家を出た二人は駅前近くの公園に向かう。
「ツナさん、いつもの場所ですか?」
「うん。」
いつもの花壇の前に腰を下ろすとツナはギターケースからギターを取り出す。しっかりと抱え、頷き合う。
「では、沢田ツナ、歌います!」
ギターの音色にツナの歌声が重なる。その心地よいオトは自然と人をひきつけていく。ツナは両親にああいってはいたが、実際はツナにはその愛らしい容姿も手伝って隠れファンも多い。
二、三曲歌って、次の曲に入ろうとしたそのとき、
バッ!
いきなりツナは立ち上がるとギターを放り出して驚きに固まる観客達(いつの間にかかなりの人数が集まっていた)を放置して公園から飛び出す。そんな中で一番に我に返ったハルは立ち上がると慌ててツナを追いかける。
「すいません!今日はこれでおしまいです!」
叫んで放り出されたギターを回収するのも忘れない。

短!
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