オオゾラのうた act6
次の日。スクアーロ上の空だった。いつも通り海に行きはしたものの、昨日のことが頭から離れない。そんなスクアーロにクラスメイトのベルやマーモンがからかってもザンザスに「うぜぇ!」といつもの(え)暴力を受けても上の空で、ルッスーリアに「スクアーロったら恋わずらいね!」なんて言われてようやく反応したこと思ったら顔を真っ赤にして教室から走り去る姿は普段のスクアーロを知る同級生たちからしたら「誰だあれは。」というものだろう。
放課後。部活に出てもスクアーロの上の空なのは変わらなくて。
「スクアーロー、今日なんか変だぞー。なんか悪いモンでも食ったか?」
「あ゛ぁ゛?」
顔を上げると部活の後輩である山本武が不思議そうな顔でたっている。思わず「余計なお世話だぁ゛!」と追い払いそうになってふと思いとどまる。
「う゛ぉ゛い゛、山本ぉ゛。お前『沢田ツナ』って知ってるかぁ゛?」
「お、なんだ。スクアーロもファンなのか?」
「は?」
もしかしたらこの学校の生徒ではないかと思って聞いただけだったので、山本から返ってきた答えは正直意味がわからなかった。
「あれ?違うのか?『サワダツナ』っつったら、駅前の公園で夜になるといつもギターもって歌ってんだ。ふわふわの髪に大きな瞳で小さくてすっげーかわいいこなんだ!」
あの雲雀とかザンザスも隠れファンらしいのなー。
なんて爆弾発言をかまされれば、あの雲雀にザンザスが・・・と思う反面、自分が言った『沢田ツナ』と山本の言う『サワダツナ』が同一人物であればそれも妙に納得してしまうことで。
「(・・・駅前の公園・・・)。」
それはおそらく昨日ふと思い立っていつもと違うルートでジョギングしたときに通った公園だろう。
「(行ってみるか)。」
そう考えてスクアーロは(やっと)部活を始めた。
みんな一緒の学校。クラスメイトとか部活の後輩とか超楽しい(爆)。