be place〜前編〜
キラ・ヤマトは今、ザフト軍にいた。
イージスとの戦いで傷ついたキラはラクス・クラインに助けられ、
療養中にアスランと再会した。
そして、アスランに拉致と言うか、誘拐されるような形でザフト軍に入った。
そして今、キラはザフトでクルーゼ隊にいた。
「おはよう、キラ。朝だよ。」
「ん・・・あ・・・おはよう、アスラン・・・。」
キラはアスランのベッドの中で目を覚ました。
キラはザフトに入ってから、アスランからかたときも離れようとしなかった。
食事も寝るときも。そしてアスランの望むことはなんでもした。
キスされることの、抱かれることも・・・。
アスランがそれを望むのなら・・・。
「早く仕度をしなくちゃ、クルーゼ隊長に怒られるよ。」
「・・・うん・・・。」
キラを失ったアークエンジェルはクルーゼ隊に沈められた。
そして戦争はザフト軍の圧倒的な勝利で幕を閉じていた。
戦争のあと、アスランは別の隊に配属になり、
軍の中でも別行動になってしまっていた。キラはそれが嫌だった。
「キラ、そんなに僕とはなれるのが嫌?」
「だって・・・。」
「早く終わらせて帰ってくればいいだろ?さ、早く仕度しよう。」
アスランにそういわれたキラはバスルームにむかった。
シャワーを浴び、まだ着慣れないザフトの制服を着る。
出てくるとアスランが微笑みながら立っていた。
「やっぱりキラには地球軍なんかの制服より、こっちの方が似合ってるよ。」
その言葉にまだ違和感の残る制服を着ながらも少し嬉しくなった。
「ほら行っておいで。」
アスランは苦しそうにしているキラを抱きしめ、額にキスをした。
「・・・いってきます・・・。」
顔を赤くしながら、キラはアスランに見送られてクルーゼの元へとむかった。
訓練場に着くと、入り口にはザフトのエリートの証である『紅』を身に纏った青年。
名をイザーク・ジュール。キラが一番苦手意識を持つ相手。
「遅いぞ、キラ。クルーゼ隊長がお待ちだ。」
命令口調で淡々と告げる。その顔には額から右頬にかけての大きな傷。
キラがストライクでつけた罪の証・・・。
「・・・う・・・うん・・・。ごめんなさい・・・。」
消え入りそうな声で答える。
「俺に謝られても困るんだが。」
「え!あ!あ・・・あの。」
「なんだ?」と見つめてくるイザークにキラは顔を真っ赤にする。
「な・・・なんでもないです!」
そのままキラは早足でその場を後にする。
―あの瞳を見つめていると・・・ドキドキする・・・―
キラは胸の鼓動が速くなっているのを感じた。キラは自分に言い聞かせる。
―ダメ―
何度も何度も。呪文のように。
―ダメ―
自分を・・・守るかのように・・・。
to be continued・・・
な・・・なんなんだ・・・この中途半端さは・・・ゴメンナサイ・・・逝ってきます(死)