束の間の安らぎ
ミーアが意識を取り戻したと聞き、キラ、アスラン、ラクス、カガリはミーアの休んでいる医務室へ向かった。
あの時、ラクスを庇って撃たれたミーアは急所を外していたことと、処置が早かったこともあり、一命を取り留めた。しかし、重傷なのは変わりが無く、意識不明の状態が続いていた。
「失礼します。」
キラが先頭に立ち、医務室に入ると、簡易的な病室着を着、ベッドに座るミーアと目があった。
「お気づきになられたようですわね。傷の方はいかがですか?」
「え…あ…はい…。」
キラに寄り添い、微笑むラクスに問いかけられミーアは申し訳なさそうに応える。
「それはよかったですわ。ねぇ、キラ。」
「そうだね。」
その微笑ましい姿にミーアが首を傾げる。
「あの…ラクス…さん…」
「あら。ラクスとお呼びくださいな。ミーア。」
「あ、じゃ…じゃあラクス。ラクスは…アスランの婚約者なんじゃ…。」
「あら、あんなヘタレ。こちらから願い下げですわvv」
ざっくり
これには質問したミーアもビックリ。当のラクスと隣に寄り添うキラはなんか黒いものを背負って微笑んでいる。
「え…じゃあアスランは…」
「私の下僕だ。」
「下僕!?」
ミーアの疑問に応えたのはカガリ。そのカガリの応えに悲痛な叫びで応えたのはアスラン。
「下僕だろ。」
「下僕ですわね。」
「下僕だね。」
アスランはHPがゼロになった。
そんな言葉のダメージを受けて床とお友達になっているアスランを見て、ミーアの中のアスランのイメージがガラガラと音を立てて崩れていく。
「…私のアスランのイメージが…」
かなりショックを受けたように呟くミーアにキラ、ラクス、カガリ。
「アスランは外面だけはいいからね。実際ヘタレだよ。」
「そうですわね。優柔不断でダメダメですわね。」
「まったくだ。ま、こいつは私がしっかり首輪つけておいてやらないとな。」
「そ…そんな…!キラまで…!俺は幼年学校の時からキラ一筋「キモイ。」ぐふ!」
すがりついてくるアスランにキラの渾身の一撃。アスランは床とお友達に逆戻り。そんな様子をミーアは何故か目をキラキラさせて見ている。
「キラ様…。」
「あ、僕のことはキラでいいよ。ミーア。」
にっこり
「キラ…素敵…vv」
「ミーアまで!?」
アスランの悲痛な叫びはラクスとカガリに鎮められた。
「あらあら、ミーア。キラは渡しませんことよ?」
「ライバル多いぞ〜。そこのヘタレは置いといて、ジュール隊のイザークだろ、ディアッカにバルトフェルト隊長もキラのこと気に入ってるし、勿論ラクスもな。最後は私が認めないと駄目だがな!」
「あら、それでも私諦めませんわ!」
「ふふふ。まけませんわよ。」
なんだか一気に元気になったミーアに黒いものを背負って微笑むラクス。性懲りもなくキラにすがりつこうとするアスランを踏みつけているカガリに微笑ましそうにそれを見つめるキラ。
戦いの中の、つかの間の穏やかな時だった。
キラはみんなに愛されているのです!
アスランはヘタレ街道まっしぐらです!(笑)。
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