Crismas party act2

日曜日。 アスランは何故か両手いっぱいの真紅の薔薇の花束を持って、10分ほど遅れてキラの家についた。アスランの頭の中には『二人きりのクリスマス』の図しか入っていない。
インターフォンを鳴らすと、扉の向こう側からキラの返事と共にパタパタというかわいらしいスリッパをはいた足音が聞こえる。そして扉が開く・・・
パーン!

メリークリスマス!

3人分の声が響いた。目を丸くして驚くアスランの前にはキラはもちろんクラッカーを持ったカガリとラクスがいた。
「キ・・・キラ?」
何が起きたのか状況のつかめないアスランはとりあえずキラの名前を呼んでみた。
「遅かったね。もうみんな集まってるよ。イザーク先輩なんか30分前には来てたんだから!」
「イザーク・・・。」
キラト二人きりのクリスマスを想像(妄想)していたアスランの頭の中の素晴らしき想像(妄想)図は音を立てて一気に崩れ落ちた。
「どうしたの、アスラン?早く、みんなまってるよ!」
「そうですわよ。アスランが一番最後なんですから。」
「早く行くぞ。」
カガリとラクスに引っ張られる形でアスランはリビングに連れてこられた。
「・・・あはは・・・。」
既にアスランの意識は此処にあらずといった状態だ。

キラ主催のクリスマスパーティもひと段落し始めた頃。ようやくアスランは崩れ去った想像(妄想)の世界から戻ってきた。そして、その部屋にキラとイザークがいないことにようやく気がついた。
キラ!
いきなり叫んだアスランにどうしたのかと視線が集まる。
「キ・・・キラは?」
「キラでしたら先ほどイザーク様と散歩に出かけられましたわよ。」
ラクスの答を最後まで聞いていたのか分からない勢いでアスランはコートを掴むと玄関へダッシュ。
ところがどっこい(笑)玄関の前にはカガリ、ラクス、パーティーに来ていたミリアリアが仁王立ち。
「・・・アスラン?何処へ行きますの?」
ラクスの絶対零度の微笑みに勝てるものは居ない。

キ・・・キラー!!

アスランの悲痛な叫び声だけが響きわたった。

あほなアスラン万歳(え)。うちのアスランはいつもこんな感じです。
アスランはいじめてなんぼ(え)。
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