福寿草を君に贈ろう
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・大変だな、キラ。」
「イザーク・・・!他人事だと思って・・・!」
戦いも終結し、世界も、ところどころで小さな紛争はあるもののだいぶ落ち着いてきたこの頃。先の大戦での英雄となったキラ・ヤマトはザフトに身をおき、主に最高評議会議長ラクス・クラインの護衛という形で活躍していた。
そして今日、五月十八日。そんな英雄であり、ザフトのアイドルと化し始めている(え)キラの誕生日である。
キラのファンがそんな日を見逃すはずがなく。
朝、キラが部屋にたどり着くまでに両手で抱え切れなくて通りすがりの部下に手伝ってもらうほどのプレゼントを手渡され、更にキラの部屋にはキラが来る前に誰が運び込んだのかプレゼントの山。・・・ちょっと頭痛くなった。プレゼント運びを手伝ってくれた部下はちょっと苦笑していた。
そして、ちょっと書類のことでやってきたイザークとの冒頭のやり取りへとつながる。
「人気者だな。」
「人を動物園の珍獣かなんかみたいにいわないでくれる?」
なんて軽口をたたきつつもイザークが持ってきた書類に目を通してるあたりやっぱり最強だろう。
「っていうかどうやって部屋に入ったんだろうね。僕の部屋、僕のお手製プログラムだからそー簡単に開けられないはずなんだけどなー。」
はい、と書類をイザークに渡しながら首をかしげる。
「・・・一人やりそうな奴は心当たりがあるが?」
「・・・そーいえば朝カガリから連絡あったなー・・・。」
アスランがいなって。
イザークはそんなちょっとげんなりしたようなキラの頭をなでてやる。
「・・・子ども扱い・・・。」
「そうやってすねるあたり子供だろう。それより、今日はあけてあるんだろうな。」
そう言うイザークにキラは当たり前だといわんばかりに笑みを作る。
「とーぜんだよ。イザークが祝ってくれるって言うのに、僕が予定なんか入れるわけないでしょ?」
その言葉に満足そうに笑んで、
「ならいい。それまで、きっちり今日の分は終わらせろよ。」
「誰にいってんのさ。」
部屋を後にするイザークに自身あふれる声をかける。
夜、ピンクオーラを撒き散らしながら帰っていく二人に撃沈した者や黄色い悲鳴を上げるものなどさまざまだったりする。
因みにアスランからのプレゼントは大きなクマのぬいぐるみだったが、盗聴機と盗撮機が仕込まれているのが発見され、速攻で処分された。
相変わらずうちのアスランは可愛そうな人・・・!(爆)。
※福寿草の花言葉:永遠の幸せ
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