Love Doll act4

イザークは今のこの状況からものすごく逃げたかった。アスランは呆然とした顔で、ディアッカはにやにやとにやけ顔で、ニコルはものすごいご機嫌な様子でにこにことイザークのことを見ている。
「いやー、イザーク。お前もdollを持つ気になったかー。」
「別に持たないのが悪いとかではないんですが、やっぱり持ってるのと持っていないのでは違いますからね。」
「・・・似合わない・・・。」
ドガ
アスラン退場。そして誰も気にしない。
「それにしてもどういう心境の変化ですか?昨日まではそんな気配もなかったのに。」
コーヒーで口を潤しながらニコルがたずねればイザークはその綺麗な顔を盛大にゆがませる。そりゃそうだ。朝起きたら部屋にいた、なんて普通誰も信じないだろう。
「ん?なんかワケアリか?」
面白そうにイザークの顔を覗き込んだディアッカは思いっきり睨まれた。それはもう、蛇に睨まれた蛙の如く。
「まぁいいですよ。ラクスやミリィとかカガリにも気に入られてるみたいですし。」
「・・・和むなぁ。」
「・・・キラは男なんだがな。」
「「男(の子)――――!?」」
本気で二人分の絶叫が響いた(アスランはまだ戻ってこない)。その絶叫は向こうで話しに花を咲かせていたdollたちにも届いたらしく。驚いた表情でこちらに寄ってくる。
「どうしましたの?ニコル。」
「ちょっとディアッカ!!邪魔しないでよね!」
「・・・アスランは・・・またか。」
「大丈夫なんですか?」
「あぁ、いつものことだ。」
なんかいろいろ言われている(特にアスランの扱いがひどいのはスルーの方向で)。
キラは首をかしげながらもとてとてとイザークの前によってくるとそのまま手を引かれてすとん、とイザークの膝の上に座らせられる。
「「うわ―――――――――。」」
とはマスター二人(アスランはまだ戻ってこれn)の感想である。
「・・珍しいものを見ましたわ・・・。」
「うん。」
「・・・人間というのは変わるものだな。」
とはdoll三人の感想である。
「・・・で、キラさん・・・でしたっけ?・・・男の子・・・って本当ですか?」
ショックから戻ってきたニコルがたずねれば、何を当たり前のことをといった表情で、
「そうですけど・・・えっと、男の子だと何かいけないことがあるんでしょうか・・・?」
「あるわけがないだろう。キラはキラだからな。」
「はい!」
膝の上でよしよしと頭をなでられてにこにこと笑うキラ。そんな微笑ましい姿になんだかほのぼのしつつもちょっと『(明日は雨かな)。』なんて雲一つない空を見上げてしまうマスターとdollたち。
「もういいか。まだ買出しが残ってるんでな。」
キラを膝からおろして立ち上がるイザークにちょっとトリップしかけていた意識を引き戻す。
「あ、はい。引き止めてすみませんでした。」
「またお話しましょうね。」
「またねー!」
「またな。」
「はい!」
「じゃ、明日アカデミーでなー。」
最後までアスラン不在のまま(え)だったが、イザークとキラはその場を後にする。

しばらくしてようやく目が覚めたアスランが騒ぎ出してカガリに再び沈められていたのもまぁいつものことだろう(え)。

うちのサイトは相変わらずアスランの扱いがひどいです。すばらしく(爆)。
そして女の子に間違えられるキラとか萌え(え)。
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