Love Doll act5

次の日は平日。イザークはアカデミーに出かけるためにベッドから出ようとすれば、隣でもぞもぞと動く気配がする。少し寝ぼけたような頭で考えつつ隣を見ると、
「〜〜〜〜〜〜!!」
イザークは声にならない悲鳴を上げた。
それもそのはず。隣ではキラがイザークに擦り寄るようにして眠っている。しかもその格好がイザークのシャツ一枚というキワドイ姿で。
ガバ!と思いっきりベッドから飛び起きると、その気配を感じたのかキラがもぞもぞと起きだす。
「あ、おはようございます、イザーク。」
「あぁおはよう・・・ではなく!お前はなぜここで寝ている!お前は隣の部屋で寝ていたはずだろう!?」
因みにシャツ一枚のなのは普段着は買ったが寝巻きを買い忘れていたことを思い出して急遽応急措置ということで着せているのであり、断じてイザークの趣味ではない。断じて(強調)。小柄なキラに大き目のシャツという姿はちょっとした凶器だと思ったのは事実だが。
「う・・・だって・・・ずっと一人だったから・・・イザークと一緒にいたくて・・・。」
うりゅ・・・とそのアメジストの瞳に涙を浮かべられてしまえばイザークも何もいえなくなってしまう。
「〜〜〜・・・はぁ。もういい。もういいから着替えて来い。」
「!はい!」
ベッドからぴょんと飛び降りて与えられた部屋へとかけて行く。イザークは一つ大きなため息をつくと自分も身支度を整えてリビングへ。朝食を簡単にコーヒーだけですませて出かける準備をしているとひょっこりとキラが顔をのぞかせる。
「あぁ、今日はアカデミーで授業があるからな。夕方には戻る。」
「・・・。」
「キラ?」
「あ・・・はい。いってらっしゃい。」
不安そうにうつむきながらも一生懸命笑顔を作る。その笑顔が明らかに無理をしているように見えて、
「大丈夫だ。」
「ほえ?」
ぽんぽんとキラの頭をなでてやるとぱちぱちと瞬きをしてイザークをを見上げる。
「ちゃんと帰ってくるから、大人しく待っていろ。今度、IDを作ったら、連れて行ってやる。」
「!はい!」
嬉しそうに今度は本当の笑顔を向けられてイザークの顔もほころぶ。
「じゃぁ今度こそ行って来る。」
「はい!いってらっしゃい!」

マンションを出て、ふと部屋を見上げればベランダからキラがこちらを見下ろしていて、イザークと目が合うと腕が千切れんばかりに手を振る。それに答えるようにイザークも小さく手を振り返すと、アカデミーに向かうため、エレカに乗り込んだ。

アカデミーについて、やけに機嫌のいいイザークはほかの生徒達から気味悪がられた。

シャツって萌え(え)。
dollたちもみんな専用IDを持っていてそれで学校なんかも出入りできます。
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