非日常的おにごっこ
「まて!キラ!」
今日も城の中ではキラとカガリの鬼ごっこ(笑)が繰り広げられていた。
「僕はお見合いなんかしない!!カガリがすればいいじゃんか!」
「バカいうな!向こうがお前をご指名なんだ!あたしがいっても意味ないだろう!」
バタバタバタ・・・
最近毎日のように繰り広げられている光景に城のメイドや執事たちもなれたもので。
そんな鬼ごっこ(笑)の様子を微笑ましそうに眺めている。
「今日!相手が来る予定だといっただろう!!とりあえず身支度ぐらいしろ!」
「イヤだって言ってるんだ!!」
キラはひたすら拒否をしながら廊下を走る。と、角を曲がったとたん、
ドン!!
反対側から現れた人物と思いっきり激突した。
「あいたたたた・・・。」
「キラ!!」
「ぐわ!」
転んでしりもちをついたキラに追いついたカガリが後から首根っこをつかむ。
「やっと捕まえた!ほら!キラ!さっさとしたくする!!」
ずるずるとカガリがふくれっつらをしたキラを引きずっていこうとすると、後からくすくすと言う笑い声が聞こえる。
キラとカガリが声のするほうを見ると、そこにはアイスブルーの瞳に銀色の髪の一人の青年が赤い薔薇を持って立っていた。
「イ・・・イザーク王子!」
「へ?」
ゴッ
「いた!」
青年を見て目を丸くしながらカガリがつぶやく。そして思いっきりキラの首根っこをつかんでいた手を離したため、キラは凄い勢いで床に頭をぶつけた。
「ずいぶんと仲がいいんだな。」
そんな二人の姿を見てイザークは微笑ましいものを見たという感じの眼差しを向ける。
「キラ・・・というのはお前のことか?」
そう言いながらイザークはぶつけた後頭部をさするキラに近づく。
「うぇ?あ・・・はい。」
「今日の日を楽しみにしていた。会えて嬉しい。」
イザークはキラに薔薇の花束を渡す。そんなイザークに対してキラは耳まで真っ赤になりながら花束を受け取る。
「・・・あっ!すぐ!したくさせますので!応接間でお待ちを・・・!」
「いや、今日はいい。また出直してくる。」
慌てて再びキラを引きずっていこうとするカガリをイザークはやんわりと制する。
「また、ゆっくりとティータイムを共にできることを楽しみにしている。」
イザークはその場を去っていった。残されたキラとカガリはしばらく呆然としていたが、ハッと我に返ると
「キラ・・・!おまっ!!」
もー何が言いたいのかわからない。一方のキラは花束を抱えたままぼーっとしている。まだ顔は真っ赤だ。そんなキラを見て、カガリのほうが先に冷静さを取り戻した。
「・・・キラー?おーい。キーラー?」
そんなカガリの呼びかけにもしばらくキラは反応しなかった。
それからキラはイザークが来ると聞くと(本人は否定しつつ)どこか楽しそうに自分から身支度を整え、(やっぱり本人は否定しながら)とても楽しそうにイザークとティータイムを過ごしている姿がたびたび目撃されるようになった。
fin
イザークが偽者・・・!(殴)。
どっかの国の王子様です・・・一応・・・。
なんなんだろうね・・・本当。唐突に思いつくから・・・ネタ・・・。
いつもいろいろとおかしなことに・・・。