アリス イン ワンダーランド〜前編〜
「・・・。」
アリスはじぃっと何かを見つめていた。
「アリス?いったい何をみているんだい?」
そこへやってきたアリスの姉はアリスの持っている物をのぞきこんだ。
そこには『WONTED 桃城時計ウサギ 賞金 ファンタ一年分』という文字。
「アリス・・・。」
「ふ・・・。まだまだだね・・・。」
そういうアリスに姉はくすっと含み笑いを残して去っていった。
しばらくして、アリスがうとうとし始めた頃、
目の前を何か白い物が通り過ぎた。
「遅れちまう!遅れちまうぜ!」
そういいながら走るそれはさっきアリスが見ていた
桃城時計ウサギだった。
「あ・・・。ファンタ一年分・・・。」
アリスはそうつぶやくとウサギを追いかけ始めた。
「!」
次の瞬間、アリスは真っ暗な穴に落ちていた。
そしてしばらく落ちていき地面にたたきつけられると思った瞬間、
体が浮き上がり、足からふわりと着地した。
「ここ・・・。どこ・・・。」
アリスはウサギを探して歩きだした。
しばらく行くと紫と黒の細長い物がしげみからはみだして動いている。
何かと思って近づいてみるとそれは四角いめがねをかけた縞猫だった。
「めがねかけたまま寝てる・・・。」
アリスは恐る恐る猫に近づきしっぽを思い切り踏みつけてみた。
「に゛ゃ☆・・・。」
猫は悲鳴をあげて目を覚まし、アリスを逆光めがねで睨み付けた。
「・・・。いきなり君は何をするんだ・・・。」
猫はめがねを光らせて言った。だがアリスも負けちゃいない。
「んなところからしっぽ出してるあんたが悪いと思うけど。」
アリスは猫を睨み返す。
「そんなことはどうでもいいんだけどさ、ウサギ知らない?」
「データによると右の道へ行った確率100%、
左の道へ行った確率100%、直進した確率100%。」
「結局どっちに行ったんだよ。」
「データによると女王様の城へ行ったそうだよ。」
「だからそれがどっちかって聞いてるんだけど。」
「データによるとどこからでも行けるしどこからも行けない。」
「もういい。」
そんな妙なやり取りの後アリスは諦めたように森の中へ去っていった。
「君がウサギに出会える確率100%」
しばらく行くと森の開けたところでなにやら人(?)が集まっている。
アリスが近づいていくと帽子をかぶった無愛想なめがねをかけた男と
アリスが追いかけていたのとは別のウサギと
なぜかポットに入ったネズミがいた。
「あのさぁ、あんたたち、時計持ったウサギ知らない?」
すると帽子をかぶった男がアリスの方を振り向いた。
「私は帽子屋。これは三月ウサギ。これは眠りネズミだ。」
「いや、あんたたちのことは聞いてないし。」
帽子屋はアリスの言うことを無視してしゃべりつづける。
「今はパーティの真っ最中だ。おまえも座れ。」
なぜか帽子屋は命令口調でアリスの言うことをことごとく無視する。
「俺急いでるんだけど。」
「座れ。」
完全に人の話は無視である。アリスは諦めて空いていた席に座った。
「飲め。」
そういって渡されたのは思い切り日本風な湯呑み。
「何で湯呑み・・・。」
「飲め。」
アリスは湯呑みに口をつけてみる。
「紅茶・・・?」
帽子屋と三月ウサギは何事もないように
湯呑みで紅茶を飲み続けているし、
ネズミはポットもといよく見ると急須だった物の中で気持ちよさそうに眠っている。
「あのさぁ・・・。」
アリスが話しかけようとしたときだった。
「遅れちまう!遅れちまうぜ!」
あの白ウサギがテーブルの前を横切った。
「あ・・・。ファンタ一年分・・・。」
アリスは席を立つと白ウサギを追いかけ始めた。
後ろの方で帽子屋と三月ウサギ、いつの間にか目を覚ましたらしいネズミの声が聞こえる。
「何でもない日バンザーイ!」
本当に意味不明である。
to be continued・・・
えっと、これは闇猫が学校の文化祭でやるかもしれなかった(え?)
『不思議の国のアリス』パロディー版です(^^;
テニプリキャラに当てはめたらどんな感じかなぁということで
闇猫が小説にして、友達が漫画を描いて本出しました。
闇猫は時計うさぎをやる予定でした。でも結局やりませんでしたよ。別のやりました。
こういうのは企画練ってる時が一番楽しいです(^^;
ちなみにココまでの配役をちょっと解説。
アリス→リョーマ
アリスの姉→不二
時計うさぎ→桃城
チェシャ猫→乾
帽子屋→手塚
三月うさぎ(ほぼ台詞無しに近い(^^;)→海堂
眠りねずみ(これもほぼ台詞なし(^^;)→菊丸
でした。かなり無理があります(^^;