超所有物待遇
ピンポンパンポーン
『沢田綱吉。五分以内に応接室に来ること。でないとかみ殺すよ。』
教室のスピーカーから恐怖の代名詞、雲雀恭弥の声で名前を呼ばれた沢田綱吉は放送が全て終わる前に教室を飛び出した。・・・慣れたものである。後ろから「ツナー、がんばれよー。」「十代目ー!!(号泣)。」なんて声が聞こえるのもいつものことだ。
「ひ・・・雲雀さん・・・来ました・・・。」
「うん。四分五十八秒。いつもどおりギリギリだね。」
「・・・遅れるよりましだと思いますよ・・・。」
全力疾走で(廊下は走ってはいけませんなんていうことはこの場合はスルーする)ツナはまだちょっと肩で息をしながら応接室に入り扉を閉める。
「ほら、おいで綱吉。」
にっこりと、他人には見せることのない綺麗な笑みを向けられれば逆らうこともできずに、綱吉は雲雀に近づき、ぽんぽん、と「此処に座れ」と言わんばかりに自分の膝をたたく雲雀に赤面しつつもちょこんと座る。と、後ろからこれでもかというぐらいに抱きしめられ、雲雀は綱吉の首の辺りに顔を埋める。
「はぅ・・・ひ・・・雲雀さん・・・くすぐったいです・・・///。」
「綱吉の反応がいちいち可愛いのが悪い。」
そう言って、ペロリと首筋を舐めてやれば「うひゃぁ!///」と言う声と共に綱吉の顔がさらに赤く染まる。
「ひ・・・雲雀さ、うひゃぁ!」
口を開けば今度は、ちゅ、と音を立ててキスをされる。
「ねぇ、綱吉。君は、誰のモノ?」
「・・・あぅ・・・ひ・・・雲雀さんのモノです。」
「うん。そして僕は、君のモノだ。」
満足そうに笑っているのが、背中越しにも伝わってくる。
「今度の休み、デートしようか。もちろん、忠犬にも野球部にも赤ん坊にも、忌々しい南国果実なんかに邪魔なんかさせない。」
「ふえ?」
「二人っきりで。」
振り返ってみた雲雀の表情は、面白いいたずらを思いついた子供のように、笑っていた。
(君は僕のモノで)(あなたは俺のモノ)
超所有物待遇
砂が吐ける・・・!