彼の指定席

毎回のことながら雲雀恭弥の一方的な呼び出しを喰らった沢田綱吉は応接室に入るや否や強制的にソファーに座らされ、
「僕は寝るから。起こしたらどうなるか解ってるよね。」
いわゆる『膝枕』という状態で固定。
「ひ、雲雀さ「じゃぁお休み。」
そして一分も経たずに寝息をたて始める雲雀に綱吉もあきらめたように溜息を一つ。手持ち無沙汰に雲雀の綺麗な髪をなでるように梳けば気持ちよさそうな表情で猫のように擦り寄ってくる。その仕草が可愛く見えてしまって、綱吉の顔にも笑みが浮かぶ。
そしてそのうち、綱吉も一緒になって夢の中へ。

結局、二人とも目が覚めたときには既に放課後(綱吉が呼び出されたのは昼休み)。どことなくほんわかした空気の流れる応接室に十代目命な忠犬と、なんだか黒いものを背負った野球部のエースが乱入してくるまで後三十秒。

(ねぇ、綱吉。他の奴らにはしていないよね)(え・・・当たり前です!)(ならいいよ)(そこは僕の指定席だからね)(特にあの腐れ南国果実なんかにはしちゃだめだよ)

彼の指定席

ツナの膝枕は雲雀さんの指定席です。