猛獣の飼い方10の基本
それは突然だった。
朝、目が覚めたらザンザスが元に戻っていた。さも当たり前のように俺のベッドで一緒に寝てたから、目が覚めてドアップなザンザスの顔が合ったときは一瞬心臓止まるかと思った!(叫ばなかった自分はえらいと思う)。とか何とか思ってたらザンザスが目を覚ました。また寝ぼけて憤怒の炎ぶっ放されるんじゃないかってビクビクしたけどそうはならず普通に起きてくれた。一安心・・・?
「・・・えーと、おはよう?」
「・・・おう。」
あ、本物だ(←失礼)。
「おぅ、ザンザス。元に戻ったな。」
「リボーン。」
いつの間にか目を覚ましたリボーンがすぐそこにいた。
「・・・迷惑かけたな。」
「そうでもないぞ。ツナの奴すげぇ楽しそうだったした。」
「リボーン///。」
余計なことを言うなよという心の叫びは綺麗にスルーされた。畜生!!
「元に戻ったんならイタリアに戻るんだな。」
「まぁな。いつまでもカスどもにヴァリアーを任せておけるか。」
多分、スクアーロの胃に穴が開く。確実に。
「そっか。帰るんだよね。寂しくなるな・・・。」
「・・・。」
ワシャワシャ
「わ!」
無意識に呟いた俺の頭をザンザスは無言でかき回す。
「・・・ダメツナが。」
「ダメツナ関係なくない!?」
「うるせぇ!」
「銃はしまって!」
いつものコント発生。
「とりあえず俺は九代目に連絡入れといてやる。お前らはママンの飯を食ってこい。」
「あ、うん。・・・あーザンザスのことはなんて言おうか。」
「もう説明してあるから大丈夫だぞ。」
「なんて!?」
凄い気になる!っていうかいつの間に!?
相変わらず行動が素早いです先生。
ふ、当たり前だ。
読心術でそんな会話をした気がする(気がするだけ)。
リビングに降りていけば確かに母さんはザンザスがいることに何の疑いもせずに朝食を用意していた。・・・母さん・・・流されすぎ・・・。
そんなこんなでお昼ごろには迎えが来て、ザンザスは帰ることになった。
「世話になったな。」
「うん・・・って・・・全部覚えて・・・、」
「まぁな。お和えに引っ付いてたりしたのは・・・まぁ不可抗力だ。」
「不可抗力で死に掛けた!」
憤怒の炎で!
当のザンザスは思い出すところはそこなのか、とちょっと凹み気味(なぜに?)。
「じゃぁな。」
「あ、うん。元気でね。」
「敵だった奴に言うセリフか?」
「あはは。そうなんだけどね・・・(苦笑)。」
「・・・またな。」
そう言って迎えの車で去っていくザンザスを不覚にもかっこいいと思ってしまった自分がいる。
エピローグ
最初から最後までザンザス様が偽者でした・・・!