ストレスをあたえてはいけません

そんな日が続いたある日。
「・・・綱吉?」
まるく尻尾に毛の抜けた部分を見つけた。

「委員長、それは円形脱毛症というものではないでしょうか。」
「円形脱毛症?」
「はい、主にストレスが原因で起こる症状だと聞いたことがあります。人間、動物関係なく出るものらしいです。」
それを見つけてすぐ、実はかなりの博識である草壁に連絡するとそんな答えが返ってきた。
「ストレス・・・。」
「はい。綱吉さんの場合、慣れない環境下のせいかと。そのあたりは心配することはないと思われます。」
「わかった。仕事に戻って。」
「はい。」
応接室から出て行く草壁を見送ると、雲雀が与えたロールケーキ(一日十本限定のものを風紀委員に並ばせて手に入れた)を笑顔で頬張る綱吉を見る。その様子からはストレスを感じているようには到底見えない。
「どうしたんですか?きょうやさん。」
この短期間に綱吉は感情も表情も語彙も豊かに豊かになり、普通に会話もできるようになった。ただなぜか敬語で名前にさん付けになってしまったのがちょっと悲しい。
「綱吉は、僕と一緒で、楽しい?」
ぱちくり、と目を瞬かせてへらりと笑う。
「はい。ちょっとまだこわいですけど・・・きょうやさんといっしょにいるのは、たのしいです。」
その答えにほっと一息つき、そして、
「(・・・じゃぁやっぱり、あいつらを一度咬み殺しておいたほうがいいかな)。」
いつも唐突に現れて綱吉を怖がらせている面々の顔を思い浮かべてそんなことを思った。

ストレスをあたえてはいけません

ストレス=円形脱毛症という公式しか浮かばなかった貧相な闇猫の脳みそを許してください・・・!