てあらにあつかってはいけません
「男ならボクシングをやらんかー!」
「に゛―――!!(涙目)。」
今日も今日とて雲雀と一緒に学校へ来ていた綱吉だが、最近はだいぶ周りの環境にも慣れてきたこともあって暇をもてあますようになっていた。なので、最近は一人で校内を歩き回る姿が目撃されるようになった。そして初日に雲雀が綱吉を自分のもの宣言しているため、手を出すやからもいない。いたら雲雀のトンファーが飛んでくる(女子がお菓子を与えていたりするのは別)。
そして今日は運動系の部活の部室の並ぶあたりのエリアに近づいたところで極限ボクシング晴男と遭遇。冒頭のセリフと相成った。
「綱吉!お前は貧弱すぎるのだ!しっかり食って体を動かせ!男ならボクシングだ!」
「いいですけっこうですえんりょします!」
「なぜだ!極限ボクシングは楽しいぞ!」
「ほんとういいですからー!」
きょうやさーん!(泣)。
ちょっと半泣きで叫んでみた。ただし、ここは応接室とは逆方向。聞こえるはずもないと思っていたのに、
「ちょっとそこのボクシング男。僕の綱吉になにしてるの?」
「きょうやさん!?」
呼んだ本人が一番びっくらこいた。だってどんなに急いだって応接室からここまで五分はかかる。一分もたっていないい上に息も切れていない。あんた本当に人間デスカ?
「きょうやさん!」
いろいろ突っ込みどころはぶん投げて了平につかまれていた手を振り払って雲雀にタックル。よしよし怖かったね、とふわふわの髪と耳をなでるその姿は知らない人が見たら本当、あんた誰デスカといった状態だ。ただ幸いなことに目の前の笹川了平はこの光景にも慣れている。
「おう雲雀!お前からも綱吉にボクシングを勧めてくれ!」
「何言ってんの。綱吉にはトンファーを教えるんだよ。」
「どっちもいやです!」
ぜんりょくできょひします!いたいのいやです!
本気で泣きそうだ。
てあらにあつかってはいけません
(ごめんね綱吉)(泣かないで)(うーうーいたいのはいやですー(泣))
笹川兄はなんかもう、丁寧に扱うとかそういうのとは無縁な感じがしたんで(ファンに謝れ)。