さみしがりや、おくびょうです

その日は休みの日であるというのに雲雀はいそいそと学ランを着込み、理恵の如くトンファーを装備して出かけていった。もちろん目的は並盛の見回りだ。休みの日でも余念が無い。
出かける間際、
「いいかい、綱吉。誰が来ても絶対扉を開けちゃ駄目だよ。野球部も爆弾男もボクシング部もましてや南国果実なんかもってのほかだ。「僕に言われた」って言われても絶対駄目。いいね。」
なんだかどこぞの童話を彷彿とさせるような注意のされ方である。しかし、綱吉はその言葉に「はい。」と大人しく経時をして、雲雀を見送った。

そして現在時刻は午後六時。いつもならもうとっくに雲雀も帰宅し、夕食の支度をしている頃(びっくりなことに雲雀は自炊をしていた)。
それなのに今日は帰りが遅い。迎えに行きたくてもどこにいるかわからない上に一人で出歩くことを禁じられている(例外は学校の敷地内のみ)。だんだんと、不安がこみ上げてくる。
カタン
ビクゥ!
もともと綱吉は臆病だ。最近は雲雀や山本、獄寺や了平に骸など一緒にいることでそんな兆候も無かった。だかやはり一人になると、怖い。少しのもの音にも反応してしまう。
怖い。寂しい。
一人、雨の中にダンボール箱に入れられて置き去りにされたときのことがフラッシュバックする。
あの時は必死に泣くまいとこらえていた。泣いたら負けのような気がして。
そんな時、雲雀が「見つけて」くれた。手を差し伸べてくれた。ぬくもりをくれた。
「きょ、やさ、ん。」
体が震える。寒い。
バタン!
「綱吉!」
勢いよく扉が開いたと思ったら凄く慌てた顔の雲雀が珍しく肩で息をしている。
「きょーやさん・・・?」
今にも泣き出しそうな顔で見上げてくる綱吉を力いっぱい抱きしめる。
「ごめんね、綱吉。馬鹿な草食動物の群れを咬み殺すのに時間がかかってしまってね。」
伝わってくる雲雀の体温にほっとした表情になる。
「いいんです・・・きょうやさん・・・ちゃんとかえってきてくれました。」
ほにゃん、と微笑って綱吉も雲雀を抱きしめ返す。

さみしがりや、おくびょうです

ぴるぴるしてるツナとか超可愛い・・・!(爆)。