小動物の飼い方10の基本
子猫を拾った。
雨の中、『拾ってください』と書かれたダンボールの中でこちらをじっと見つめているというベタなシチュエーション。ベタ過ぎて笑えない。そんな笑えないシチュエーションで僕は子猫を拾った。まぁ、猫と言っても最近流行っているらしい”合成獣”。人間に耳と尻尾が生えた所謂猫娘的なアレだ(拾ったのはオスだったけど)。ご丁寧に「名前は「綱吉」です」と書かれたメモが子猫の服のポケットに入っていた(名前まで付けるなら捨てるなと言いたい)。普段だったら無視するところを僕はなぜか、この子猫、「綱吉」に惹かれた。多分、それは瞳だ。やかましく鳴き続けることもなく、雨に濡れながらも強い光を湛えた琥珀を埋め込んだような大きな瞳でこちらを見つめていた。その瞳が、気に入った。
「綱吉。今日からここが、君の家だ。」
一人と一匹の生活が始まる。
プロローグ〜偶然か必然か〜
ツナ猫化です。