甘えたい、甘えられない

あの子はやたらと子供にもてる。忠犬や野球部だけじゃなくて、あの子の家に居候しているらしい子供もやたらとあの子に付きまとっている。
「ツナー!ランボさんと遊べ!」
「うわぁ!」
「ランボダメ!」
「ランボ!ツナ兄が潰れちゃう!」
「こらアホ牛!十代目に何しやがる!」
「ハハ!仲いーのなー。」
・・・気に入らない・・・。
群れだとか、そういうこと以上に、あの子が他の奴らに甘えられている(?)のが。
「?雲雀さん?」
どうかしましたか、というように牛柄の子供にじゃれ付かれながら首をかしげる君。
「・・・なんでも無いよ。」
そう言って僕は踵を返す。
素直になれない自分にもいらいらする。

甘えたい、甘えられない

(今度はあの子を攫って独り占めしてやろう)(誰にも邪魔なんかさせない)

・・・やっとツナがしゃべった・・・!(一言だけだけど)。