君と居る時の自分
沢田綱吉を拉致してみた。
と言うのは冗談で、あの子を応接室に呼び出してみた。まだ初対面の印象とか風紀委員としての活動のこととかがあるから目の前でソファニ座る綱吉はぴるぴると小動物のように震えている。
「・・・ねぇ、沢田綱吉。」
「はい!」
ピクッ!と肩を揺らして背を伸ばす。いろいろ反応が大げさだ。
「別に君を咬み殺そうなんて思って無いよ。・・・君は、僕が怖い?」
単刀直入に聞いてみればあからさまに驚いた顔をする。・・・ちょっとショックだ。
「・・・えと・・・最初はちょっと怖くて・・・出来れば近づきたくないとか・・・思ってたんですけど・・・今はそうでもない・・・です。むしろ頼りになるというか・・・俺としては出来れば仲良くしたいというか・・・。」
ごにょごにょと俯いて言葉を濁す君の顔がほんのり赤くなっていることに気付いて、なんだか嬉しくなる。
「うん。僕も君とは仲良くしたいな。」
「・・・え?」
「あの忠犬とか野球部とか極限とか南国果実なんかと群れるのはごめんだけど、君といられるなら少しは我慢してあげる。君といるのは赤ん坊抜きで、楽しいからね。」
そう、言えば綱吉はちょっと意外そうな顔をして、次には恥ずかしそうに笑った。
君と居る時の自分
(僕はちゃんと笑えているかい?)
がんばる雲雀さん(笑)。