孤独だった頃の傷跡
「!」
傷が疼く。もうとっくの昔に治ったはずの傷跡。僕がただの「雲雀恭弥」という一人の無力な子供だった頃の。『風紀委員』でもなく『並盛の秩序』なんて呼ばれない『最凶の代名詞』(最近あの子から聞いた)んあて知らなかった頃の、傷。
ただがむしゃらに、強いものを求めて力を振るっていた。
そのころ草食動物の集団に囲まれて、不意をつかれてナイフで刺された。あの時は本当に油断したと思う。幸い大事には至らなかった。
ただただ孤独に力を振るっていただけの頃の傷。今はもう、こんな傷を受けて入られない。あの子が泣きそうな顔をする。泣かない。泣きそうになるだけで涙を流さない。そんな顔、させたくない。
「お帰りなさい、雲雀さん。」
「ただいま、綱吉。」
孤独だった頃の傷跡
(もう僕は、)(孤独ではいられないから)
捏造未来(苦笑)。雲雀さんだって最初から強かったわけでは無いだろうからそういう傷とか合ってもおかしく無いかと。