2.儚い
「お前たちに会わせたいものがおる。」
サスケとサクラが集合場所に着くと珍しくカカシが先に着いていた。
そして火影からの呼び出しだと言われ今に至る。
「…会わせたい人…ですか?」
サクラが怪訝そうに眉間にしわを寄せて聞く。
「あぁ。お前たちにはこやつと『友達』になってやって欲しいのじゃ。」
「『友達』ですか。」
「あぁ。あやつは今まであまり人前に出たこともなくてな。人とのつきあい方もろくに知らんのじゃ。」
そう言って火影は吸っていたパイプの煙を吐く。
「それは…『任務』としてですか?」
無表情にカカシが訊ねる。
「いや。これは儂の個人的な頼みじゃ。いやなら断ってもよいぞ。」
そう言って少々寂しそうな視線をサスケに向ける。
「?」
サスケはなんだという視線を返すが火影はすぐに目をそらし、もう目を合わせようとしなかった。
「どうするんじゃ?」
火影は再度問うてくる。
「引き受ける。」
「「サスケ(君)!?」」
サスケはとっさにそう応えていた。なぜだかわからない。でもそうしなければいけないような気がしたからだ。
「うむ。サスケはこう言っておるが、二人はどうじゃ?」
火影はサクラとカカシに問う。
「まぁ、断る理由もありませんし。」
「…あたしも…サスケ君がいいなら…。」
なんだか渋々といった様子ながらも、二人も了解する。そんな二人に火影は満足げな笑みを向ける。
「うむ。ならば早速会ってもらおうかのぅ。入っておいで。」
「…何…じっちゃん。」
声と共に火影の隣に一人の少年が現れた。金の髪に澄んだ空のような青い瞳。
―サスケの夢に現れた人物―
少年は神社の巫女の着るような白衣紅袴姿でおびえるような視線をサスケたちに向けていた。
「そんなに怯えるでない。お前に『友達』をと思ってな。」
「…ほんとだってば?」
少年は信じられないと言った様子で火影を見つめている。手はしっかりと火影の服を握りしめている。
「あぁ、ほんとじゃよ。さぁ自己紹介さておやり。」
火影はもう、可愛い孫を可愛がるおじいちゃんといった笑みで少年を促す。少年はまだ少々怯えた表情をしながらも前に進み出る。
「…うずまきナルト…だってばよ…。よろしくお願いします…。」
不安そうな目をしながらぺこりと頭を下げる。頭を上げたナルトはやはり瞳に不安の色を映している。その姿はサスケが夢でみたのとは印象が違った。夢の中のナルトは空を舞、力強く飛び回る蝶の様だったが、今目の前にいるナルトは同じ蝶でも儚げで、今にも落ちてしまいそうな…そんな姿だった。
「あぁ。よろしく。」
「よろしくね、ナルト。」
「よろしく〜♪」
モノガタリがここから始まる。
・・・お題に合ってない・・・!