10.声は届かない
「くっ…あぁ…うぁ…あぁ!」
白い部屋でキラの苦しそうな悲鳴が木霊する。
「くぁぁ!…はぁ…はぁ…はぁ…。お…お願いします…。もう…。」
キラは涙目になりなり自分の周りに並ぶ白衣の集団に訴える。だが白衣の者たちは不気味な笑みを浮かべたまま何も言わない。
「キラ君。」
そのなかのリーダーと思われる男がキラに声をかけた。
「キラ君。やめてあげてもいいんだ。でもね、君が拒否したら君の大事な仲間が君の代わりに…、」
男はパネルのスイッチを入れる。
「はぁ!」
キラの体の至る所に付けられた電極に電気が流されその凄まじさに、キラは悲鳴を上げる。
「こうなるんだけど、それでもいいかい?」
男は笑みを浮かべたまま選択肢のない選択を迫る。
「い…や…や…やめて…。」
「じゃぁ君が頑張らなくちゃね。」
男は一層笑みを深くし、またコンピューターのパネルに向きなおる。
「くっ…あぁぁぁぁ!」
キラの叫びが白い部屋に響く。
―誰か 助けて―
その声は誰にも届かない。
キラ様人体実験され中。