俺以外見るんじゃねぇ

ナルトは人気がある。
落ちこぼれと呼ばれていたナルトも、時が経つにつれ、その頭角を現し、その金の髪と蒼い瞳の美しい青年に成長した。
誰にでも優しく微笑み、その力は既に四代目火影をも凌ぐとも。
未だに九尾のことを知る大人からの迫害はあれども、今のナルトの実力と、その容姿に、九尾の件を知らない若い者たちからの支持は篤い。

「ナルト、飯食いに行こうぜ。」
「おー、シカマル。ラーメンならいいぞ。」
「お前そればっかじゃ栄養偏るぜ。」
「へーきだってばよ!」
楽しそうに、別の誰かと笑うお前を見ていると、胸の中にむくむくと黒いものが湧き上がってくる。
―ムカツク―
「っ!へ?サスケ?!ちょ・・・!」
シカマルとどこかへ行こうとするナルトの腕を掴んで、俺は人気のない路地へとナルトを引き込む。
「サスケ!痛いってばよサスケ!離せって!」
ダン!
そのままナルトを壁に押し付ける。
「サスっ!」
何か言おうとするナルトの口を、無理矢理自分の口で塞ぐ。
「〜〜〜〜〜!ふ・・・っ・・・はぁ・・・何すんだサスケ!」
顔を真っ赤にして文句を言うナルトを腕の中に閉じ込める。
「!サ・・・サスケ・・・?どうしたんだってばよ・・・「俺以外に・・・」は?「俺以外に向かって、笑うんじゃねぇ。」
本当なら、俺以外の目に映らぬように、俺以外をその目に映さぬように、閉じ込めてしまいたい。
「俺以外、見るんじゃねぇ・・・。」
その笑顔が、俺以外の誰かに向けられているというだけで、ひどく、胸が締め付けられる。
「俺以外を・・・見るな・・・。」
醜い独占欲。それでも
「お前は・・・誰にも渡さない・・・。」
ただ、お前が居る。それだけでいい。

嫉妬に燃えるサスケさんも好きですよ。
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