教師と生徒

「ザンザス!」
バン!と勢い良く屋上の扉を開けてやってきた人物に試験をよこせば走ってきたのが一目瞭然であるかのように肩で息をしている。
「なんだ綱吉。」
「さ・わ・だ・せ・ん・せ・い!」
「はっ!私服で居酒屋入って追い出されそうになった挙句に警察に補導されそうになった奴がなにほざいてやがる。」
「なんで知ってんの!?」
ガン!あからさまにショックを受けたように大げさな反応をする沢田綱吉(26)独身。外国の血が入っているらしいハニーブラウンのふわふわとした髪に琥珀を埋め込んだような大きな瞳。童顔で生徒にまぎれていても分からない上にそれによって女性からも男性からも(恋愛感情で)好意を寄せられるというなんだか複雑な外見を持つのに対し、綱吉の担当するクラスの生徒であるザンザス(17)は黒い髪に赤い瞳。生まれつきなのか鋭い眼光。さらに事故でついたという顔の傷がさらに雰囲気を近寄りがたいものにしているおかげで常に身分証明書を持ち歩かないといけない。
「って、そんなことはどうでもいいの!「いいのか。」いいの!ザンザス!なんでお前俺のテストだけぎりぎり赤点なんだよ!毎回毎回!普通はぎりぎり赤点回避とかだろ?!っていうかお前顔コワイくせに頭はめちゃくちゃいいんだからまじめにやれよ!生徒会長!」
なんだか後半物凄くひどいこと言ってる気がするが、当のザンザスはどこ吹く風といったもので。
「けっ。古文なんざやったところで何の意味があるってんだ。ばかばかしい。」
「それ言っちゃおしまいでしょ?!それでもザンザスだったら余裕で平均点取れるでしょ!?」
「当たり前だ。」
「じゃぁやれよ!」
「めんどくせぇ。」
「俺の仕事が増えるんだよ!」
赤点補習用の問題作成に補習監督、採点と、仕事がてんこ盛りとなる。
「まじめにお願いだから俺の仕事増やすなよ!」
「断る。」
「それでいいのか生徒会長!」
「いいだよ。仕事はカス鮫にやらせる。」
「・・・うわぁ・・・スクアーロかわいそう・・・。」
思わず同情。
「・・・はぁ。とにかく。明日補習だから、遅刻すんなよ。」
「しねーよ。」
バタン
綱吉が出て行った屋上の扉を見つめてザンザスはポツリと呟く。
「・・・するわけねーだろ。」
好きになったやつと少しでも長く一緒にいられるようになるなら、なんだって利用してやる。

綱吉の気を引くためにわざと赤点を取っていることを知らないのは当の本人のみだったり。哀れ。

生徒ザンザス×先生ツナ!(笑)。ツナはやっぱり童顔です。そしてザンザスはあの顔なので一緒に並んで歩くとどっちが年上か分からない(爆)。
ツナの担当科目を何にしようか悩んだ挙句古文。数学とか科学とか理数系は絶対無理だろうと判断しました(え)。あと英語も無理そうだ(えー)。
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