魔王と姫

薄暗い石造りの廊下をカツン、カツンとブーツの音を響かせて漆黒が進む。漆黒は一つの扉の前で立ち止まると、ノックもなしに扉を開く。
「着替えは終わったか、ツナ。」
部屋の中には純白のドレスを身に纏ったツナが明らかに「不機嫌です」というオーラを放ってベッドに腰掛けている。隣には物凄く満足そうな表情のルッスーリア。
「・・・ザンザス・・・。」
「良く似合ってるぞ。」
「そう?ありがとう・・・じゃなくて!何でこんなことすんの?!確かにじい様も父さんも俺達のこと反対してるし、守護者のみんなも反対してるけど!だからってこんな誘拐まがいなことしなくてもいいじゃん!」
「みたい、じゃなくて誘拐だ。」
認めちゃったー!
悲しいかな突っ込み体質。
「”魔王”の花嫁に選ばれたんだ。有難く思え。」
「うっわ。すっごい上から目線。」
「ボスだもの。」
「だね。ザンザスだもんねー。」
なんかもういちいち突っ込むのも疲れた。はー、と溜息を一つつくとベッドから飛び降りる。ふわりとドレスを翻し、ザンザスに抱きつく。
「ま、いっか。結婚しちゃえばこっちの勝ちだもんね。」
「言うようになったな。」
ザンザスもツナを抱きしめる。
「守護者どもが乗り込んでくる前に式を挙げるぞ。」
「うん!」
その後予想通り乗り込んできた守護者v.s.魔王率いるヴァリアーで一騒動あったのは言うまでもない。

なんだコレ・・・!
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