プライドと風格

「ザンザスってプライドがチョモランマ級だよね。」
「あ゛ぁ?んなこと今更だろう゛。」
「あはは。だよね。」
スクアーロから書類を受け取りながら苦笑する。
「でもそれ以上にボスの風格っていうの?すごいにじみ出てるよね。俺なんかとはオーラが違うよ。」
「テメェは十年たってもプライドも風格もあったもんじゃねぇなあ゛。」
「うわ、ひっど。」
渡された書類に目を通しながらそんなことこれっぽっちも思ってもいないような口ぶりで言うツナを見てスクアーロは思う。
プライドも風格もないなんて嘘だ。普段は小動物のように人畜無害な顔をしているくせに他人前に出れば王者の風格を醸し出す。そして自分のファミリーを侮辱されればたちまち牙を剥く獰猛な獣となる。
ザンザスは普段からそれを前面に出していて、ツナは普段はそれをしまいこんでいるだけで・・・、
「要するに似たもの同士ってことかぁ゛・・・。」
「ん、なんか言った?」
ポン、と判を押して書類を返しながら首をかしげるその姿はどこからどう見ても小動物のそれである。そんなツナに「なんでもねぇ゛。」と言って
、 「じゃあなぁ゛。」
「うん、ザンザスによろしくー。ヴァリアー内暴力もほどほどにって言っといてー。」
フランが愚痴ってたよー。
パタン


プライドと風格


王者の逆鱗に触れることなかれ

スクとツナ。