操縦不可能
「わー!ザンザス!!どうしたのそれ!!」
「・・・うるせぇ・・・かっ消すぞ・・・。」
「・・・ふらふらしながら言うなよ。」
非人道的な実験やら麻薬やらと黒い噂しか聞こえてこないファミリーの抹殺をヴァリアーに命じた綱吉は返ってきたザンザスの姿を目の当たりにしてこの世の終わりかと言う悲鳴を上げた。
「ザンザス、とりあえずそこ・・・あぁ汚したらリボーンに怒られる!えっと、」
キャビネットの中から真新しいシーツを取り出し、ソファーの上に敷く。一緒に一抱えもある救急箱も。
「はい。此処座って。珍しいね、ザンザスがこんなに怪我するなんて。」
消毒液の刺激と綱吉の言葉にザンザスは眉間に皺を寄せる。
「作戦隊長は何してたの?」
「はっ!カス鮫なんぞの言うことなんざ知ったことか。」
「・・・デスヨネー・・・。」
ザンザスの言い草に綱吉も苦笑がこぼれる。
「でも、」
包帯を巻きながら呟く。
「あんまり、無理はしないで。」
「・・・気が向いたらな。」
「うん。」
(あなたを操縦するなんて無理だとわかっているから)(せめて)(死なないで)(生きて俺のところに帰ってきて)
操縦不可能
ツナのためなら死んでもいいぐらいなザンザス様とあんまり無茶しないで欲しいツナ(苦笑)。