はちみつ

「…キョーヤ様、キョーヤ様、朝ですよ、起きて下さい」
 アラウディー選帝公にしてナミモリ辺境伯キョーヤ=アッロドーラの朝は、そんな柔らかな声に起こされる事から始まる。
 銀鈴を転がす様に愛らしい声で囀るのは、乳母であるナナの娘ツナだ。
 しょぼつく目で瞬きながら欠伸をするキョーヤに、「おはようございます」とツナはほわっと微笑む。
 毎日の事ながら、悪くない目覚めだと、彼は欠伸交じりに頷きながら思う。
「…おはよう、ツナ」
 言って、柔らかな蜂蜜色の髪を掬い引き寄せ、ちゅっと口付ける。
 それだけで真っ赤になってあぅあぅ言う幼い彼女にくつくつ笑って、キョーヤはさてと起きることにした。

絶賛日参中な携帯サイト雪月花の雨里様からキリリクでいただきました。「ヒバツナ♀中世貴族パロ(ぽいもの)」というリクエストでした。こんな短い文章なのに凄い妄想膨らむ・・・!闇猫がやるとどうしても説明口調になってめちゃくちゃ長くなるのでこう、短く纏められる才能が欲しいです・・・!

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