Buon Compleanno!CHROME&LANCIA

「……ママン…お願いがあるのです…」
 双色の双眸にじぃっと見上げられ、奈々はなぁにと首を傾げた。


 キャセロールに作られた料理を見て、ランチアは瞬いた。
 まだほこほことほんのり湯気を立てるそれは、こんがり焼けたチーズのいい匂いをさせている。
 隣で凪もぱちぱちと隻眼を瞬かせている。その視線の先には、大きなチョコレートケーキがででんと置かれていた。

「凪は僕といっしょでチョコレート好きでしょう?だからチョコレートのにしたんです」

 チョコレートクリームに苺がたっぷりのそれは、流石に売り物のようとは言えないが、自家製としてなかなかの上出来といえよう。

「えっ…と、…お店のみたいにはできなかったんですけどね…ママンに教えてもらいながら作ったので、食べられないことは無いと思うんです…」
 反応してくれない二人に、骸の言葉はどんどんぽしょぽしょと自信なさ気な物になっていく。


「そんなことないびょんっ、骸しゃんすごいれすよ!!」
 少女の様子に犬が握り拳で言い、千種も頷く。

「うん。結構美味いよ。初めてにしては上出来だと思う」
 言ってぽふっと頭を撫でる綱吉に、骸はぱあっと表情を輝かせて。

「…ラザーニャか、好物だ」
 ありがとうと続けようとしたランチアの言葉を、打って変わってつんとそっぽを向いて骸は封じてしまう。
「つっ、綱吉君が食べたいって言ったからです!別にランチアなんかのためじゃないです!!」
 頬をピンクに染めているだけに、説得力はほぼ無い。
「はいはい、そーですよー」
 肩を竦めて見せる綱吉に、ランチアも苦笑を返して。

「ああ…でもありがとう」

 穏やかに紡がれる言葉に、真っ赤になった少女は、隠れるように懐くように綱吉に抱きついてその肩にぐりぐり顔を埋める。

「…骸様…素直が一番だと思うの…」
 凪のポソっとコメントに苦笑して。
 ではとランチアはマイペースに食器を用意してくれた千種からそれらを受け取り、取り分けに掛かった。

絶賛日参中な携帯サイト雪月花の雨里様宅でフリーでした。クローム&ランチアさんはぴば小説!雨里様のところで連載中のツナ×骸子連載設定で!骸子長可愛いんですけど・・・!(そこ?)。クローム&ランチアさんはぴばー!

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