トリックorトリート!

最強のヒットマンたるリボーン先生は、多趣味でもあられる。
 良くも悪くもお茶目な彼に遊ばれ…もとい、弄られた結果が、現在の沢田 綱吉であった。

「………」
「…」
 綱吉とスクアーロは互いに困り果てていた。
「…あー…、今度はどうしたぁ?」
 綱吉としては、好奇の目を向けるでも呆れるでも無く言ってくれるヴァリアーの次席に大感謝だ。冷たい対応ではなくとも、大騒ぎもされない辺りに余計に。

 これがディーノなりハルなり…とちらり思えば、ちょっぴりげっそりした。

『おおおおっ随分可愛い格好してんじゃねーか、ツナ!可愛い可愛い!』
『はひ〜っ、ツナさんラブリーですーっ!写真っ、写真撮りましょう!ハルとメモリアルしましょう!!』

 口々に言って自分をかいぐり回す兄弟子と友人というのは、あまりに容易に想像出来る。
 二人のことは大好きだが、暴走モードの時のテンションにはちょっと着いていけないので、母のハイテンションモード同様綱吉はちょっぴり苦手にしている。
 というか、自分の周りには本当に瞬間沸騰型で暴走する人間が多すぎると、綱吉は思わずちょっと黄昏た。勿論、件の兼の筆頭はビアンキと獄寺の姉妹だ。

 凶暴だの言われるし、確かにそういう面もあるけれど、雨属性のスクアーロはやっぱり和み系の側面を持っている。
 温和なバジルに、ど天然さだのを差し引けば山本も彼女に安心を与えてくれるタイプなので、実のところ綱吉は雨属性の人が好みなのかもしれない。ほっとするというか、癒されるというか。

「…スクアーロさん、ありがとーございます…」
 彼のように比較的に常識的な人がいてくれるお蔭で慰められると、日々無茶苦茶な周囲に振り回される少女は、ぐじぐじと少し鼻をぐずつかせて言った。
 そんな綱吉のキャラメル色の頭を、スクアーロはとんがり帽子ごとぽふぽふ撫でて宥める。

 ほら、飴やっから泣き止めえ゛―――と、子供扱いではあるが、騒いだり要らぬ破壊活動をしでかさないスクアーロは、やっぱり綱吉に癒しを与えてくれる存在なのであった。



 以外と露出も高い魔女っ娘コスプレに、ちょっとは進展しないものかという思惑とはかなり方向性が違ってしまったが、まったりほのぼの甘えて甘やかしての二人に、此もまたありかと、様子を盗撮するリボーン先生はほくそ笑んでいた。

絶賛日参中な携帯サイト雪月花の雨里様からキリリクでいただきました。「青天(『雪月花』で連載中ヒバツナ♀連載)な感じのスクツナハロウィン」というリクエストでした。・・・萌え!(黙れ)。

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