ましまろうぃーず

緊迫は兎も角、それなりにシリアスでなければ駄目だろう交渉の席に着こうとして―――白蘭という男はニッコリ微笑みドンナ・ボンゴレに言った。
「ツナチャンもマシマロ食べる?」
 指に摘んだマシュマロをふにふにさせながら言う男に、綱吉はきょとんと眼を瞠った。
 差し出されたのは男がさっきから食べているマシュマロの袋で、超直感も大丈夫だと告げるので、じゃあとありがたく貰った。甘党なので、毒だの薬入りじゃなければと、至極素直に。
「…十代目…」
「…ツナさん…」
 もきゅもきゅと食べると、左右から溜息を帯びた声で言われ、まずったかと天然はさほど改善されなかったドンナ・ボンゴレはこてっと首を傾げる。
 先方の守護者…もとい六弔花さんとやらにも、少し呆れ顔で見られてしまった。
「…失礼、交渉を始めましょうか、ドン・ミルフィオーレ」
「うん。あ、白蘭でいいよ、ツナチャン」
 にっこり微笑む白蘭に、綱吉の手は取られ、ちゅっと手の甲に挨拶のキスをされる。
「はひっ」
 思わず声を上げるハルと反対隣で、獄寺の目が据わり、その手が懐に入りかけてギュッと握られる。
 端麗な美貌に浮かぶは、般若の形相―――獄寺の女性にだらしの無い男嫌いは依然そのままであるが、それなりに理性も身につけたので一瞬で切れる事は無くなった。このままでは非常に怪しいだろうが。
「…ドン・ミルフィオーレ、あまりお戯れが過ぎますと…」
「こうなるんだよ」
 ボンゴレでは決まってるんだ―――言うが早いか、白蘭の居た位置にはトンファーが飛来している。
「雲雀さんっ!!」
 何やっちゃってるんですか!!―――愛らしいソプラノで叱るドンナに歩み寄り、ちゅっとその円い頬に口付け、「こっちも。消毒しとかないとね」と言って、白蘭が触れた手の甲と掌にも雲雀の薄く形のいい唇はチュッチュッと触れる。
「…てめぇら、いちゃついてんじゃねぇ」
 低い声で止めに入る家庭教師だった黒衣のボディーガードの言葉に、綱吉はコクコク頷く。
「そーですよー。挨拶してくださったんですから」
「僕の綱吉に触ったそいつが悪い」
 どこの餓鬼だという言い訳をする雲雀とリボーンのガチンコバトルが始まり、交渉の会場であったそのホテルの中庭がずたぼろにされたとかされなかったとか…



「…ネェ、ツナチャン、あの二人ほっといていいのー?」
「あ、大丈夫です。何時ものことですから。お腹すいたら戻ってきますし。あ!大丈夫です、修理費はボンゴレからちゃんと出しますから」
「…ふーん(だめだ、このコに何やっても言っても、きっと暖簾に腕押しってやつだ…)」

絶賛日参中な携帯サイト雪月花の雨里様からキリリクでいただきました。「青天(『雪月花』で連載中ヒバツナ♀連載)で十年後平和設定でツナにちょっかいを出す白蘭にぶちきれる雲雀様」というリクエストでした。ツナ超可愛い・・・!

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